大阪万博フランス・パビリオン

来年(2025年)4月13日から10月13日に開催される大阪万博のフランス館が4月23日に着工されました。
このパビリオンは、万博会場の入り口から、入ってすぐに構えるシンボリックな場所にあります。

一般的に「万博」と言われる万国博覧会は1898年9月19日にパリで開幕した「工業製品の国内博覧会」に端を発します。
その後、「万国」と言われる最初の博覧会は、1851年にロンドンで、1853年にニューヨーク(非公式)、1855年にパリで開催されました。

1867年の第二回パリ万博は、ちょうど明治維新を迎える前夜で、ナポレオン3世の要請に応え、開国をした幕府が参加しました。よく教科書に出てくる万博です。
これにより西洋世界とのつながりを深め近代工業国へ発展していった経緯があります。
アンテンヌフランスのシンボル・マークはエッフェル塔と東京タワーですが、エッフェル塔はフランス建国100年を祝う年である1889年の万博に向けて建築されました。

このように日本とフランスは万博に対して特別な情熱を持っていると考えられますが、その開催意義や性格は近年大きく変わってきています。

赤い糸
赤い糸である「愛の賛歌」

今回の大阪万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン 」ですが、フランス・パビリオンの答えは「愛の讃歌」です。

万博会場の入場ゲートをくぐってすぐに現れるシンボリックなフランス・パビリオンは、トーマス・コールデフィー、イザベル・ヴァン・オート、カルロ・ラッティといった著名な建築家、美術監督にジュスティーヌ・エマール、クリエイティブディレクターにジョゼ・レヴィが参加しています。

最高のロケーション
最高のロケーション

パビリオンの屋根には植物が植えられヒートアイランド現象を減少させ、自然な換気を利用して、エネルギー消費を削減することや、一時的な建造物としてモジュール化され、再び利用出来るようになっています。
会場の最終エリアには樹齢1000年を超えるオリーブの樹がフランスから移植され展示されることになっています。

樹齢1000年のオリーブの樹
樹齢1000年のオリーブの樹

また会期中には、15のテーマで様々なプログラムが開催される予定です。

  • 国土と食料 2025年4月13日〜30日
  • 平等とバリテ2025年5月1日〜15日
  • 持続可能な年と港湾 2025年5月16日〜31日
  • 海洋 2025年6月1日〜15日
  • 気候 2025年6月16日〜30日
  • 健康 2025年7月1日〜15日
  • 宇宙 2025年7月16日〜31日
  • 平和 2025年8月1日〜15日
  • クリエーション 2025年8月16日〜31日
  • 生物多様性 2025年9月1日〜15日
  • 教育 2025年9月16日〜30日
  • スポーツ 2025年10月1日〜13日

さらに特別なイベントも決まっています。

  • 落成式:2025年4月13日
  • 女性/男性の平等の日 : 2025年5月2日
  • フランス国民の祝日: 2025年7月14日
  • 閉会式: 2025年10月13日
  • 閉会式:2025年10月13日
  • フランコフォニーの日 : 後日発表

日程については予定ですので、ご了承ください。

大阪万博フランスパビリオン発表会

今回のフランス・パビリオン着工と内容の発表会があり、日本政府からは自見英子万博担当大臣、フランスからはフランク・リエステル貿易担当大臣が来日し、フランス大使館公邸で会談が行われました。発表会の模様はYouTubeチャンネルで公開予定です。

自見英子万博担当大臣、フランク・リエステル貿易担当大臣
自見英子万博担当大臣、フランク・リエステル貿易担当大臣

下記はフランスの資料から

フランス館、フランスのサヴォワフェールを大胆に活かす舞台

赤い糸である「愛の讃歌」

フランス館は、個々や集団の取り組みを促すことで、我々の時代の社会や環境が直面する試練に答えを出したいと思います。フランス館は、生きることの意味とそのもっとも美し
い次元である「愛」に導かれた新しい未来のビジョンを、普遍的な想像の世界を通じて提案します。

芸術、科学、テクノロジーは、この未来についての愛のビジョンに貢献するために役に立つリソースです。フランス館が世界中からの来場者にお見せしたいと提案するこの意味の探求は、人間と自然の基本的な必要に答えるための能力を通じて、テクノロジーを進化させます。

日本文化には、互いの小指をつないで切れることなく目には見えない魔法の糸によってふたりが結ばれていることを想起させる「赤い糸の伝説」というものがあります。フランス館はフランスと日本の間の愛の象徴でありたいので、常設展示はその愛で脈打つ心臓です。常設展示は互いに結ばれた3つのムーブメント間での永遠の対話を提案します。それは自分への愛(一人ひとりの能力とサヴォワフェールを活用する)、他者への愛(アール・ドゥ・ヴィーヴル、連帯感、包摂を経るもの)、そして自然への愛(自然を持続可能な方法で保護、回復、活用するために)です。

さまざまな(「生きた遺産」事業、イノベーション、エネルギー転換、循環型経済、アール・ドゥ・ヴィーヴルなどの)経済分野、文化・科学の分野において、この「愛」の3次元は以下のように活用できます。

大胆さ:分断されている世界で現代の課題に直面する中で、フランス館はイノベーションについてフランスのエコシステムがもつ卓越したダイナミズムを十分に活用することを選択しました。

サヴォワフェール:フランス風のアール・ドゥ・ヴィーヴルは美食、科学、モード、文化、教育、多様性、洗練を連想させるのに加えて、フランスがもつ外国へのショーウインドーを具現化します。

コミットメント:自律性、束縛からの解放、個人で責任を負うこと、集団的コミットメントが現代世界の課題に取り組むために行動することを可能にします。

フランス館がもつこれらの価値は、フランスのブランドをわかりやすく説明するものです。

万国博覧会で明らかにされる産業・技術・科学の主要なイノベーション

いつの日も、万国博覧会は外交・テクノロジー・貿易に関する交流に焦点を当てています。万博は来場者には最新の発明とイノベーション、新しい素材と製造技術を実際に見ることを、参加国には各国の卓越したものを全世界に向けて見せることを可能にします。

万博の際に初めて披露された主要ないくつかのイノベーションにフォーカス

2020年 ドバイ
「空飛ぶクジラ」からイメージを得た、操縦可能なLeabotは80トンまでの貨物をアクセス不能な地域に、陸路または海路で、さらには環境へのインパクトを著しく削減して運送することが可能。

2015年 ミラノ
新世代のインターネット・プロトコル・ネットワークと、超高速インターネット・アクセスのキャピラリーWi-Fiインフラを紹介。

2005年 愛知
トヨタ、ソニー、ホンダが造り上げたヒューマノイドロボットは、清掃、警備、誘導などを確実に行えるので…展示の通路を歩き回る一方で、「バイオラング」、世界で一番大きな植物の壁が展開される。

1970年 大阪
最初の携帯電話が、このテクノロジーがなにを提供できるのかを見せることに成功。
同時に、高性能電子顕微鏡、最初のImaxの映画館、電子揚力電車が展示される。

1962年 シアトル
来場者はIBMのShoeboxに魅了された、音声操作に答えるコンピューターである。

1939年 ニューヨーク
来場者は展示会場からライブで最初のテレビ放送を目撃する。

1904年 セントルイス
今日では世界中のすべての病院や空港に存在するX線装置が初めて紹介される。

1905年 リエージュ
レオン・ゴーモンが考案したクロノフォンは、映像と音を同期させることができる最初の装置のひとつ。

1900年 パリ
パリの地下鉄の最初の路線と最初のエスカレーターが開業されて、それをフィルムに収めたのがリュミエール兄弟である。当時最大の望遠鏡は月を見るように設定されて、「パレ・ド・ロプティック(光学の宮殿)」に設置される。この望遠鏡の長さは60メートル、重さは20トン。

1893年 シカゴ
最初の大観覧車がお目見えしました。高さ80メートル、36の客車が設置され、それぞれ
に60人の乗客を収容できる!

1889年 パリ
1889年の博覧会では、フランスの首都は「エッフェル塔」の魅力で満たされる。エルミニー・カドールが「ビャンエートル(快適さ)」というネーミングで特許を登録している最初のブラジャーを発表。女性の装い全般におよぶ革命である!

1878年 パリ
トーマス・エジソンの蓄音機は大きなアトラクションのひとつで、あらゆる新聞や雑誌に競って掲載される。

1876年 フィラデルフィア
アレクサンダー・グラハム・ベルが世界に先駆けて最初の電話を発表。同時に、ポップコーンとハインツのケチャップが最初のお目見え。

1867年 パリ
ユーロトンネルの先駆的存在、イギリスとフランスの間に海底トンネルを建設するプロジェクトが万博の際に発表される。技術者エメ・トメ・デュ・ガモンに考案されたが、実現することはない。

1855年 パリ
ナトリウム、塩化アルミニウム、アルミニウム塊のサンプルがパノラマの円形パネルの中に陳列される。500万人以上の来場者が、この新しい金属の鑑賞を実現する。
1851年に発明されたフーコーの振り子は、地球の自転現象を証明し、名誉ある評価を受ける。

Antenne France
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