AntenneFrance N.183 芸術的クローンの最初の試練

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  □芸術的クローンの最初の試練
  □Voctoire de musique 2
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◆◆芸術的クローンの最初の試練
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 芸術作品の材料として「生きている」物質を用いる
 芸術家は遺伝子物質を使ってはいけないのだろうか?蛍光を放つ合成分子は芸術
 作品とみなされているだろうか?これらの疑問について、11月24,25日
 (2000年)の「クローン芸術」のフォーラムで論議された。2日間、研究
 者、大学教員、芸術家は、エッソンヌのモルサン・シュール・オルジュ城に集
 まって、芸術及び、テクノロジーと社会を結ぶ複雑な関係を論じた。
 続いて、エッソンヌの文化グループは、「現代芸術は、クローン化の危険にさら
 されている」と宣言し、2001年2月17日までに、20人ほどの芸術家の、
 遺伝子操作をテーマにした作品を集めることにした。
 ジュアン・ル・パルクは例えば、ハイブリッド皮膚と「アートクローン」の印を
 押したクローン脊椎の「移植」を販売している。「科学のおかげで、芸術家はす
 でに器官を原料に変えた。そのうちバイオ・プラスティックを使って、『モノプ
 リ』(食品メーカー)のためにフルーツと野菜のコレクション「2010夏」を
 デザインし、人間工学バナナを作り、動物、果物といった「生きている」製品に
 美的価値を加えるのだから、どうしてそれが人間ではいけないだろうか?ぼくの
 仕事はつねにそういう危険のまわりを巡っている。つまり、ある日マーケッティ
 ング会社は、遺伝子産業の新しい傾向を押しつけてくるだろう。」
 もちろん、ジュアン・ル・パルク(下記のプロフィール参照)は、未来の話をし
 ているのだ。彼は、科学の漂流を堰き止めるために「アートクローン」化粧品を
 売っている。
 20人ほどの彼のようなアーティストが、クローンが及ぼす魅惑―嫌悪に関する
 作品を展示する。現代美術展「ポリフォーカス(1999)」で、頭や手を自分
 の体から鋳造した小人で自分自身の「再生品」を多数出品したジル・バルビエ。
 「グループ展」で、聖書の「天地創造」のような、想像の変化につれて発展す
 る、動物との交配によるクローンで7種の自分のコピーを作ったグザビエ・ラン
 ベール。「トロワ・プチ・ラルドン」で、自立した存在としてコンピューターの
 中に投げ出されるという設定を仮想してみたコルコーズ(マルセイユ)の芸術家
 グループ。奇怪なフォト・コピーを作るシグリッド・ギユモ。バラの木にクレヨ
 ンを移植したジャン・リュック・ビシャール。
 「ぼくたちは『画面』に向かって生活している」と、芸術家でありこのプランの
 科学責任者のリシャール・コントは説明する。「コンピューター、テレビ…、ぼ
 くたちの体は常に『仮想』に向き合っている。でもおかしなことに、ぼくたちが
 もっとも心配しているのは、生きていることの問題なのだ。なぜ生物によって、
 非物質を補う必要があるだろう!ぼくの興味をそそるのはその矛盾で、『宣言』
 を通してこの問題を扱いたい。」
 ソルボンヌのプラスチック・アート研究センター所長、リシャール・コントは、
 現代の芸術家がクローン人間をつくったらどうなるのかと研究している。ありえ
 ないことではない。「芸術家たちは、何世紀にわたってこのテーマを扱ってき
 た。しかし、この『複製』のテーマはいま、もっと憂慮すべき問題に席を譲ろう
 としている。クローンがこのテーマに減速をかけているからだ。コンピューター
 とバイオテクノロジーからこのテーマは生まれた。」
 インターネットで、実際気違いじみた学者の真似をするのを初心者に勧めるよう
 なサイトが増えている。ロンドンの芸術家、ヒース・ハンティングは、みかけは
 まじめそうだが中身は完全にいかれた雑誌「バイオテク・ホビイスト・マガジ
 ン」に、ミュータント人間の皮膚はどうやって培養するのか?とそそのかしてい
 る。とても簡単だ。「真皮の標本を栄養のある液体につける。そこにホタルのDNA
 コードを入れれば、皮膚は暗闇で輝くでしょう。」
 「バイオテク・ホビイスト・マガジン」の情報はすべて正しい。おまけに読者
 は、人間としての構成要素の元、「臍の緒」をもらうことができる。その上、イ
 ンターネットユーザーに「器官」の不正取引を勧めている。「医者は無視してい
 るが、命を救うことができるすべてを人間に提供して、よいことをしよう。 爪
 の垢、おっぱい、皮膚の老廃物、臍、包皮…。」ホームページは吹聴する。そし
 て、「教育的」目的のために、雄と雌の蠅の遺伝子を組み合わせることができ
 る。《mate》 をクッリクすれば、すぐに結果が得られる。簡単だが強烈なDNA
 の組み合わせによる混種の蠅がでてくるのだ。
 新しさの快感から、アメリカの著名な芸術雑誌「レオナルド」も「科学実験」の
 魅力に目がくらんでいる。数年前から 「芸術と生物学」というコーナーを設け
 て、生きている素材を使う前衛芸術家に取り上げている。トランスジェニック・
 アートの創設者、エデュアルド・コックは、命の新しい型を生みだそうとしてい
 る。「アルス・エレクトロニカ・フェスティヴァル(1999)」で、このブラ
 ジル人は、聖書の一節から分子を作り、バクテリアのDNAコードに組み込み、そ
 れらを突然変異させた。
 「インターネットで、新しい型の人工生命をつくることができる。命のない材料
 から生まれてくるのだ。つまり、それは“物化”の反対になる。」と、研究家で
 「マルチメディア時代のクローン社会」の著者、イザベル・リウセット・レマリ
 エは解説する。彼女によれば仮想と生物の境界は曖昧になってきている。一方
 で、シミュレーションの世界の中に、幻覚と幻想の芸術がある。もう一方は現実
 である。
 「ポリフォーカス1」で、ジル・バルビエは、多くの自分の「再生品」を展示し
 た。
 「現代芸術のクローン化の危機」 2月11日(2001年)まで
 Agnes Giard
 Le Monde Interactifより
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◆◆Voctoire de musique
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ケベック旋風続く
 ここ数年のうちにフランスの音楽シーンに欠かせない存在となったカナダのケ
 ベックからの歌手達。今年も新しい発見がありました。すでにミュージカル?ター
 マニア」でフランス人にはおなじみとなっていたイザベル・ブーレのソロ・デ
 ビューです。今回はブリュエルやゴールドマンといったフランスのメロディーラ
 インに、ケベック特有の歌唱力をのせて歌う彼女のスタイルが評価され、「最優
 秀新人賞」に選ばれました。代表曲としては、Parle-moi が挙げられます。
 もう一人は、二年前にミュージカル「ノートルダム・ド・パリ」のカジモド役で
 衝撃的なデビューを飾ったガルーです。彼のソロアルバム、「ひとり Seul 」
 は、アルバムチャートでトップを維持しています。彼のブルージーな声は、この
 アルバムで十分に発揮されているとは言えませんが、すでにフランス人のお気に
 入りの歌手の一人となってしまいました。
 このケベック旋風の影には、一人の人物が隠れています。ミュージカル「スター
 マニア」、「ノートルダム・ド・パリ」の作詞で知られるリュック・プラモンド
 ンです。ララ・ファビアンを別にすれば、ダニエル・テルからセリーヌ・ディオ
 ン、そして今回の二人まで、ケベックの歌手達は、彼の存在なしには語ることは
 できません。その彼の新しい秘蔵っ子は、ナターシャ・サン=ピエールです。流
 行を先取りしてみてはいかがでしょうか?
つづく
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