今年は過剰生産?牛乳価格が下落へ

ドイツでは下落している牛乳の買取価格に対し、酪農家達の抗議デモが頻発している。高騰した昨年の価格では1リットルあたり33ユーロセントだったのが、今となっては16〜23ユーロセントと半値近いところまで落ちている。

廃業する酪農家たちも続出しており、深刻な事態ととらえたメルケル首相もデモの行われた酪農地帯を訪問。夏前には税制の措置や財政の直接的支援も検討しているとコメントしている。

フランスでも酪農家による抗議デモが行われており、こちらもエスカレートしている。20万リットルもの牛乳が通りに流されたり、汚物がぶちまけられたり、スーパーには牛の群れが乱入する騒ぎとなった。

フランスでは1年前から牛乳価格の最低保障はなくなり、加工工場が買取価格を決定している。2007年は牛乳が不足し価格が高騰したが、今年はストックもあり生産過剰となった。バターの価格はフランスでは1トンあたり4000ユーロ以上だったのが2000ユーロ程度とこちらも半値に落ちた。

ところが、スーパーでの価格は下がっていないため、加工業者が利益を得ているのではないかと酪農家たちの怒りが爆発している状態だ。

そう言えば、日本でも最近バターは当たり前のように手に入るものに落ち着いている。昨年はどこに行っても品薄状態で、スーパーの店頭に並んだとしても値上げされたバターはちょっとした高級品扱いだった。「お一人様一点まで」の表示まであったが、今やすっかりその影もなく、簡単に手に入る食品へと戻っている。

国際農業比較研究所の所長は今回の牛乳価格の下落について、世界的な景気後退と中国のメラミン問題により需要が減ったためではないかと分析している。

昨年の供給不足も中国人の食生活が欧米化し乳製品の需要が増えたことが要因の一つだったし、中国人の莫大な人口が好む好まないで世界的な影響を及ぼすことを改めて思い知らされる。

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