農業・畜産

フランスの農業、畜産

クロマグロ禁輸に欧米が支持

クロマグロの禁輸にアメリカも支持する意向となり、フランスなど欧州とともにワシントン条約会議で可決しそうというニュースが流れてきた。

このクロマグロの禁輸に関してはモナコが提案したものだが、十数年前にも似たような案が提案していた。このときは否決されたが、漁獲量は国ごとに制限されて、「名目」上、各国はこの漁獲量に応じて漁をしている。

以前もフランスがこの提案に支持することを決めたことをお伝えしたが、同じEU諸国でも漁業国とそうでない国と分かれている。地中海沿岸の国は国内の漁業に影響を与えるとして反対の立場をとることが多かったが、イタリアやフランスなども賛成に回った。

漁獲高が減っているという話も聞かないし、広い海の中、誰がどうやって数えているのだか知らないが、クロマグロの個体数が減っているというなら、制限されている漁獲量を更に制限すれば良いようにも感じる。それではダメという事だろう。というのは、悪いのはこういう地中海諸国で、割当量の倍以上、国によっては7倍の出荷量があるのだ。

生きたまま採られたマグロは海の中に作られた「いけす」中にそのまま入れられ、養殖される。ここで太らされて出荷される。漁船から、そのままいけすに流されるので、実際どのくらいのマグロが捕られたのか正確には分からない。出荷する際に、養殖してこんなに大きくなりました、と言ってしまえばそれまでだ。

マグロ漁自体は地中海でギリシャやローマ時代から行われていた物で、日本と同様とといえる。しかし近年の日本を中心とする需要で、海のダイヤとも言われ、積極的に投資が行われてきた。地中海諸国の政府も利益率の高いマグロ漁を補助金を出したりして奨励したり、冷凍設備や空港などまでを作ったりしたと聞く。

日本から見れば、よその国のマグロにまで興味が無いと言えるのだが、日本向けに輸出されるこのマグロは、日本人の味覚に合うように脂肪分の多いマグロが「生産」されて、既に50%以上のシェアを占めている。

こうして一大産業になったマグロ産業と漁獲量を守らない欧米の業者が一番の問題なのだが、今回の提案は実に自分たちに都合が良く出来ている。禁輸と言ってもマグロをEU圏内では流通させても良いのだ。

反捕鯨で攻撃を続ける環境団体が今度は地中海のマグロ漁を妨害するというが、マグロ漁をやっているのは、地中海に限った事ではなく、アメリカ東北部(ニューイングランド地方、例えば、マサチューセッツ州やメイン州など)や西北部などでも行われている。まずはじめに自分の国でやればいい。

フランス農家20年前の賃金水準に

フランス農業省が発表した統計で、フランス農家が窮地に追い込まれていることが明らかになった。農家の収入は昨年から今年にかけて平均して34%減少しており、2年間で比較すると半分以下に落ち込んだという。

最も大きい下げ幅をみせたのが酪農で54%の減少となった。野菜果物を取り扱う農家も同じく大幅に収入が減っているが、生産量は昨年と変わらず、原価が値下がりしていることが原因。農家の収入は20年前の賃金水準まで下がっており、農業大国フランスが窮地に立たされているといったところだ。

ちなみに、フランスの最低賃金は来年1月に0.5%アップする予定。月35時間労働で1343.77ユーロとなる。労働者に対し、最低賃金を支払い続けることができるのか。農家の問題は続きそうだ。

フランス農家、5億ユーロ返還を要求される

EU委員会は、フランス政府が野菜果物生産者に行ってきた過去の支援金は自由競争の原理に反するとして、給付された支援金を返還するよう求めている。

これに対して、フランス農家からは「過去何年にもわたって補助を受けてきた。いまさら返還しろ、というのは考えられない」と猛反発している。確かに既に受け取ってきた補助金を返せというのはかなり強引に感じられるが、フランスのルメール農相は返還手続きをすすめていくことを明らかにしている。

対象となる支援金は1992年から2002年にかけて給付されたもの。本体3億3800万ユーロに1億5000万ユーロ程度の利息・遅延金をプラスした5億ユーロ弱の返還を要求されている。

誰がこの5億ユーロを負担するのかはまったく決まっておらず、野菜果物生産組合側は返還には応じない構えだ。

フランスの家きん輸入停止を解除

農林水産省は5月25日、フランスにおける鳥インフルエンザの清浄性を確認したことから、フランスに対する家きん(鶏、七面鳥、あひる、うずら、がちょう)と家きん肉などの輸入一時停止措置を解除しました。

フランスにおける弱毒タイプの鳥インフルエンザ(H5N3亜型)の発生を受けて、今年2月3日以降輸入一時停止措置を講じていました。

フランスからの家きんの輸入停止措置は、平成18年にも高病原性鳥インフルエンザ(血清亜型H5N1)が発生したことから行われていました。

なお、発生国又は地域から家きん、家きん肉等の輸入を停止するのは、家きん等がウイルスに感染することを防止するためであり、食品衛生のためではないと農林水産省は見解を示しています。

今年は過剰生産?牛乳価格が下落へ

ドイツでは下落している牛乳の買取価格に対し、酪農家達の抗議デモが頻発している。高騰した昨年の価格では1リットルあたり33ユーロセントだったのが、今となっては16〜23ユーロセントと半値近いところまで落ちている。

廃業する酪農家たちも続出しており、深刻な事態ととらえたメルケル首相もデモの行われた酪農地帯を訪問。夏前には税制の措置や財政の直接的支援も検討しているとコメントしている。

フランスでも酪農家による抗議デモが行われており、こちらもエスカレートしている。20万リットルもの牛乳が通りに流されたり、汚物がぶちまけられたり、スーパーには牛の群れが乱入する騒ぎとなった。

フランスでは1年前から牛乳価格の最低保障はなくなり、加工工場が買取価格を決定している。2007年は牛乳が不足し価格が高騰したが、今年はストックもあり生産過剰となった。バターの価格はフランスでは1トンあたり4000ユーロ以上だったのが2000ユーロ程度とこちらも半値に落ちた。

ところが、スーパーでの価格は下がっていないため、加工業者が利益を得ているのではないかと酪農家たちの怒りが爆発している状態だ。

そう言えば、日本でも最近バターは当たり前のように手に入るものに落ち着いている。昨年はどこに行っても品薄状態で、スーパーの店頭に並んだとしても値上げされたバターはちょっとした高級品扱いだった。「お一人様一点まで」の表示まであったが、今やすっかりその影もなく、簡単に手に入る食品へと戻っている。

国際農業比較研究所の所長は今回の牛乳価格の下落について、世界的な景気後退と中国のメラミン問題により需要が減ったためではないかと分析している。

昨年の供給不足も中国人の食生活が欧米化し乳製品の需要が増えたことが要因の一つだったし、中国人の莫大な人口が好む好まないで世界的な影響を及ぼすことを改めて思い知らされる。