三國清三シェフによるセミナー(テーマ:アキテーヌ地方)

天才三國清三シェフ

フランス政府から数々の勲章を受け、多彩な活動を行っている三國シェフ。近年はネスカフェのCMにも出ていることで広く知られていることと思います。河野シェフは日本一のフレンチシェフとおっしゃっていましたが、「まさにその通り」と思わせるエピソードを自ら語っていただけました。

三國シェフ15歳で働き始めた後、20代でフランスの三つ星レストランばかりで修行、帰国後、四谷にオテル・ドゥ・ミクニを開店します。このレストランは、70席もありますが、開店から今まで毎日満員だそうです。多くの有名レストランが30席ぐらいで予約が取れないといわれていますが、70席もあるレストランで毎日満員というのは東京でもここしか無いのではと語っていました。

日本におけるパイオニア

その開店当時、日本にはまだフレッシュなハーブという物が無く、フランスから持ってきた種を千葉の畑に持って行って栽培を試みたそうです。しかし、とても大切に育てたのですが、全部腐ってしまったりと、全く育たなかったそうです。気候が合わないのかとあきらめていたところ、農地から少し外れた崖のあたりに沢山生えているのを発見。ハーブはそもそも雑草のような物で、あまり手をかけてはダメだということが分かったそうです。その後、この苗が全国で栽培され始めて現在フレッシュはハーブが国内で流通するようになったというわけです。

素材へのこだわり

そのほか、食材、調味料に対するこだわりは半端ではないと感じました。食材は、すべて生産者まで訪ねていって、生産者を見て判断するそうです。というのは、「これは無農薬で栽培されたトマトです。」と言われても判断がつかない。生産者を信じるしかないそうです。ですから、本当にその人が正直かどうか見る必要があると、銀行にお金があるかまでも聞くそうです。やっぱり、お金が無いと窮して嘘をつく可能性があるからです。

何度かオテル・ドゥ・ミクニに訪れた方の話では、野菜など何であんなに美味しいのか?出汁で煮ているのか?という質問には、煮ているわけでは無く、野菜そのものが違うようです。スーパーで買ってきたような素材では無いわけです。(つまり家庭で、何かやっても無理という意味だと思います。)

美味しい物を出すだけなら、10年はやってこれただろう。しかし30年やるには、それだけではダメで、毎回来てくれたお客さんに何か違う新しい物を提供しなければダメだと話しています。

調味料

重要な調味料

また、とりわけ調味料が重要だそうです。塩は能登で海水を午前3時に自然に蒸発させたものを専用に作ってもらっているそうで、こうして作った塩が一番負担が少なくて良いそうです。そのほかの調味料も、味がしっかり出るものなどかなり厳選しているようです。ただし、これが出来るのは四谷だからだそうで、四谷は値段が高いので最高の物を使えるけれど、、、ということでした。

三國シェフは素材の塩分が天才的に分かるそうで、素材そのものに大体このくらいの塩が含まれているから、後このくらい塩を振ればいいのか、パッと分かるそうです。塩は足りなければ、美味しくなく、少しでも超えてしまえば、その料理は終わりと皆さん共通した意見でした。

糖尿病・高血圧患者への料理

レストランのお客さんにも糖尿病、高血圧の方がいらっしゃるそうです。フランス料理と言えば、脂たっぷり。あまり健康的とはいえない料理のように感じます。しかし、本来数値が上がるはずなのに、不思議なことに下がるお客さんがいたそうです。このことから、糖尿病向け、高血圧向けの料理を研究しているそうです。病院食の会社も設立し東大病院などが採用しているとのことです。

糖尿病に関しては、糖質の量がネックになっているのではと考えているそうです。ただし、医学的にはまだ研究段階で証明された訳ではないそうです。しかし、油分などより糖質をコントロールすることで血糖値の上昇は抑えることが出来るそうです。

また、料理の分量が重要で600gという量にこだわっているそうです。やはり量が少なすぎると満腹感が得られず、結局間食してしまい意味が無くなってしまいます。600gあれば満足感を得られるそうで、これは糖質の少ない野菜などを多めに入れたりしてクリアするそうです。

高血圧向けには、2gなら最初に2gの塩をお皿などに取っておき、これをあっちこっちに使って、全部使わないこともあっても、超えないようにして作るそうです。出汁をしっかり使えば塩分を減らしても美味しくなります。

このようにして高血圧糖尿病対策の料理を作っているそうです。

三國シェフの講演は絶対面白いそうです。なぜなら綾小路きみまろのテープを3本聴いて、練習しているそうで、トークの磨きにも余念が無い見たいですね。

フォアグラのポワレ、クルミオイルのヴィネグレット和え

_MG_8080今回のお題はアキテーヌ地方、自然のパワーをもらいたい日のアペリティフですが、フォアグラのポワレ、クルミオイルのヴィネグレット和えという料理を作ります。何故フォアグラを選んだのかという問いには、スポンサーの関係で、この素材を使ってメニューを作ってくれということだからなのです。プロのシェフというのは、素材を指定されれば、それを使って料理を作れる物だそうです。

フォアグラフォアグラはとにかくフライパンを煙が出るぐらいまで熱くして、表面をかりかりになるまで焼きます。
ヴィネグレットは酢とオイルを混ぜた物ですが、この比率はどこでも1:4だそうです。
今回はオイルにはオリーブオイルとクルミオイルを使い、酢はシャンパンヴィネガーを使いました。

Cafe MIKUNI’S

渋谷栄一四谷のオテル・ドゥ・ミクニの裏にカフェが開店するそうです。この店のシェフは14年間三國シェフと共に歩んできた渋谷栄一シェフ。今回の講座で試食用の料理を作っていた方です。三國のレストランの新規開店を何店も手がけてきた腕利きです。

Oui Mikuni(グループのウェブサイト)

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