
インターネット
電話番号ひとつで支払える国で、誰がルールを決めているのか
パリの朝、パン屋のレジ前でスマートフォンを取り出し、電話番号を入力するだけでバゲット代を払う人がいる。カードも現金も要らない。フランスではいま、Weroというこの新しい決済アプリを、すでに4800万人が使い始めているという。「スマートフォンを取り出せば、それで終わり」と語る利用者の声を聞くと、これはただの便利な話に思える。だがこの一週間、フランスから届いたニュースを並べてみると、同じ「便利さ」の裏…
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インターネット
パリの朝、パン屋のレジ前でスマートフォンを取り出し、電話番号を入力するだけでバゲット代を払う人がいる。カードも現金も要らない。フランスではいま、Weroというこの新しい決済アプリを、すでに4800万人が使い始めているという。「スマートフォンを取り出せば、それで終わり」と語る利用者の声を聞くと、これはただの便利な話に思える。だがこの一週間、フランスから届いたニュースを並べてみると、同じ「便利さ」の裏…

社会
Tシャツの裾を引っ張った瞬間、指先が濡れていることに気づく。オードレさんは9月6日、スタッド・ヴェロドロームの観客席でOM対パリFC戦を観戦していた。後ろに座った男性が何度も体をかすめてくる感覚があり、ハーフタイムに服を確認すると液体が付着していた。あとになって、それが精液だったと理解したという。彼女はスタジアムの警備員に伝えたが、その場では対応してもらえなかった。警察とサポーター団体には自分から…

社会
「大きく転落してしまいましたが、Secours populaireがあって本当に助かっています」。ニオールの支援団体を訪れた80代の女性は、そう静かに語ったという。ソーシャルワーカーに紹介されるまで、まさか自分がこの扉をくぐることになるとは思っていなかった。野菜をもらいに来て、節約を重ねながらも「誰にでも困難な時期は訪れるものです」と付け加えた彼女の言葉には、支援を受けることへの躊躇と、それでも尊…

経済
ウーバーで配車を呼んだとする。隣にいる友人も、同じ場所から同じ目的地まで、同じアプリで呼んだとする。二人の画面に表示される金額は、同じだろうか。

エコロジー
ブザンソン近郊の板金工場では、10日ほど前から小さなハンマーの音が絶え間なく響いている。イタリアから派遣された技術者ヤコポ・プッピオは、車体に無数に刻まれたへこみを一つずつ叩き出しながら、「仕事がたくさんありますし、情熱も必要です」と言う。8月27日にドゥー県を襲った嵐は、テニスボール大のひょうを降らせ、数百台の車を「銃撃を受けたよう」な姿に変えた。アルデシュ県オーブナでは7月15日、わずか数分で…

エコロジー
9月なのに、マルセイユの朝市は27度だった。ある女性客は「もう長すぎます。慣れなければならないのでしょうね」とこぼした。6月からこの3か月、気温計は29度を下回ったことがない。ある高齢の夫婦は、家の中が昼も夜も30度を超え続け、夜が「本当に大変だった」と振り返る。週末には37度近くまで上がり、1949年以来の記録になったという。

社会
フランスで11歳の少女リアナが性的暴行を受けて殺害された。加害者とされる人物は、すでに司法当局に容疑者として通報されていた人物だったという。つまり、システムはこの子どもを救えなかった。9月7日、パリのヴァンドーム広場――法務省の前――に、女性団体や子どもの保護団体が集まり、法案の採決まで抗議を続けると宣言した。彼女たちが求めているのは、慰霊や糾弾ではない。100ページを超える、69条からなる…

インターネット
芝を刈っていた人型ロボットが、突然作動したスプリンクラーで制御を失い、地面に倒れ込む。若い女性がその上に馬乗りになり、首輪とリードをつけ、ゴルフクラブで叩きながら引きずる。彼女はカメラに向かって満足げにこう言う。「彼は従うように設計された。私は違う」。

社会
ジロンド県の村ル・ポルジュを前日に訪れた社会党第一書記オリヴィエ・フォールは、9月4日、地元ラジオのインタビューでこう語った。「この比較をあえてしてよいのか分かりませんが、住宅が完全に焼け落ちている様子には、オラドゥール=シュル=グラヌに通じるものがあります」。今夏の山火事で183軒の住宅を失ったこの村を前に、彼の頭に浮かんだのは、1944年6月10日にナチスが640人を超える住民を虐殺した、あの…

国際
水色に塗られた旧東ドイツ製の原動機付き自転車「シムソン」に乗って、ウルリヒ・ジークムントは妻とともに投票所に現れた。場所はドイツ東部、人口約1万人の町タンガーミュンデ。35歳の彼が生まれたのは1990年の東西ドイツ再統一からわずか3週間後のことだ。この光景そのものが、彼の政治の核心を語っている。過去への郷愁と、今この場所で暮らす人々の不満を、一台のバイクに乗せて運んでいるのだ。

社会
月に70ユーロ。ナディーヌと夫がリヨンの学生一人に費やす金額は、それくらいだという。WhatsAppで欲しいものを聞き、週末に家へ呼んで一緒に夕食をとり、買ったものを持たせて帰す。「子どもたちが家を離れた後も、時代に遅れずに学生を助けることができる」と彼女は語っている。相手の学生からは「人生で起きた最高のこと」と言われたそうだ。少し照れながらも、ナディーヌはその言葉を否定しない。

社会
パリ20区のテレグラフ幼稚園。約15人の学童保育職員がテーブルを囲み、責任者から一つの問いを投げかけられる。「マティスが入学し、昼食時間の保育に初めて来ました。泣いていて、どうしてもあなたの腕に抱かれたがっています。あなたはどう反応しますか」。

国際
画面の右半分に、モスクワにいるはずのロシア人論客の顔が映っている。下にはテロップ。「Xenia Fedorova、『L’Heure inter』に復帰?」。司会者は「フランス政府が彼女の滞在を阻んでいるため」と説明し、ビデオ通話での出演再開を告げた。9月2日、パリのCNewsのスタジオで起きたのは、そういう場面だった。国外退去命令から1カ月余り、資産も凍結されたはずの人物が、画面の向こうから戻って…

社会
リリア・メバルキアが息子の医療用ベビーカーを取りに出かけたのは、3月初めのある日だった。四つの車輪すべてに、ナイフで傷をつけられていた跡があった。「偶然の出来事ではありません」と彼女は語っている。彼女はヴァール県の上院選でLa France insoumise(LFI)の候補者名簿に名を連ねる活動家で、この出来事の前後、彼女のもとには殺害、レイプ、監禁を予告するメッセージが数千通単位で届いていた。…

社会
リール大学は今年の新学期から、生理痛に悩む女子学生が年間14日、月2日まで、授業を自己申告だけで休める制度を導入する。必要なのは48時間以内のオンライン申告だけで、診断書はいらない。大学側はこれを「学生への信頼と責任に基づいた」制度だと説明している。慢性的な片頭痛や、近親者の死、暴力、個人的な緊急事態にも使えるという。

社会
9月2日の夜、インスタグラムに一つの投稿が現れた。ベルギー出身のアーティスト、エレナ・ノゲラが書いたのは、こんな言葉だった。「誰かが私の証言を報道機関に売った。報道機関は何の道徳心もなくそれを利用している」。彼女は数か月前、警察で証言していた。司法当局は秘密を守ると約束していたはずだった。それが、パリ・マッチとRTLという二つのメディアによって、水曜日の朝には彼女の名前として世に出ていた。仮名は「…

社会
パリ近郊エソンヌ県のショッピングセンター、レ・ジュリス。買い物袋を足元に置いた20歳のカディは、肩からずり落ちたベールの端をつまみながら言った。「誰も傷つけていないし、ほかの布地と同じ一枚の布にすぎません」。彼女はTikTokで、国民連合(RN)が公共の場でのベール着用を国民投票にかけるつもりだと知ったばかりだった。マリーヌ・ルペン氏は2027年の大統領選で勝利した場合、「イスラム主義的イデオロギ…

国際
もしこの夏、あなたがフランスに住んでいて電気やガスの請求書を開いたなら、去年より少し重くなった数字に気づいたかもしれない。欧州統計局が9月1日に発表した速報値によると、ユーロ圏の8月のインフレ率は前年同月比3.3%。7月の2.9%から一段と上がり、3年ぶりの高水準になった。原因はエネルギー価格で、前年同月比14.3%という跳ね上がり方をしている。食品は横ばい、サービスの伸びはむしろ鈍化しているのに…

社会
南仏ニースの校庭に、旗ざおが立てられていく。幼稚園から高校まで、市内150校。毎週一度、子どもたちはフランス国旗の掲揚とともに「ラ・マルセイエーズ」を歌うことになるはずだった——市長エリック・チオッティ氏がそう発表したのが8月28日のことだ。ところがわずか3日後、国民教育相エドゥアール・ジェフレ氏はこの構想を退けた。「学校で何が行われるかを決めるのは市長ではない」。国民教育省という名称には「国民」…

エコロジー
フランスで灯油暖房を使う世帯にとって、この夏から秋にかけての給油タイミングは、ちょっとした賭けに近いものになっている。灯油の値段はこの12か月でおよそ50%上がったという。給油を数週間ずらすだけで、家計への打撃がまるで違ってくる。そして9月1日、ガスの基準販売価格がさらに5.6%上昇した。この基準価格に連動した料金プランに加入するフランスの約600万世帯が対象で、平均価格は1メガワット時あたり16…

社会
4月末、39歳の医師エマニュエルは3人目の子どもの母親になった。妻のマルレーヌが出産した末娘のために、エマニュエルは2カ月間の追加休暇を取った。「仕事に追われることなく、私たちが持っていたエネルギーを家族と子どもに注ぐことができました」。職場復帰を数日後に控えて、彼女はそう語っている。

インターネット
セーヌ=エ=マルヌ県リュベル市の市長フランソワーズ・ルフェーブルは、市役所の執務室でパソコン画面を覗き込んでいる。映っているのは、ごみ箱のそばで剪定ごみをトレーラーから降ろす男性だ。画像を拡大すると、トレーラーのナンバープレートまではっきり読み取れる。「非常に鮮明で、簡単に利用できます」と彼女は言う。この映像をもとに、市は所有者に対する行政手続きを始めた。10日以内にごみを回収しなければ、1,50…

エコロジー
8月末、モンブランの麓では2500人のランナーが号砲を待っていた。ウルトラ・トレイル・デュ・モンブラン(UTMB)、174キロ・累積標高差1万メートルという過酷なレースだ。ところが主催者は金曜17時45分の予定を19時45分に延期した。理由は雷雨。気象機関メテオ・フランスの予報を踏まえ、コース最高地点であるピラミッド・カルケールを通らないルートに変更してまで、危険な稜線を「雷雨のピークが過ぎた後」…

社会
「もちろん考えます。シャヘドやミサイルが飛んでくると、気持ちのいいものではありません。怖いです。本当にとても怖い。でも、どうしろというのでしょうか。働くしかありません」