「セザンヌと過ごした時間」のダニエル・トンプソン監督

フランス映画祭2017で来日中のダニエル・トンプソン監督にインタビューを行いました。出品中の作品「セザンヌと過ごした時間」について伺いました。

[speech_bubble type=”ln” subtype=”L1″ icon=”1.jpg” name=”AntenneFrance”]この映画はセザンヌをメインにした映画ですか?[/speech_bubble]

[speech_bubble type=”ln” subtype=”R1″ icon=”2.jpg” name=”ダニエル・トンプソン監督”]どちらにアクセントを置いた訳ではないんです。
ゾラの「製作」という書籍があり、色々なことを言う人がいますが、
やっぱりこれはセザンヌのことを書いた話であり、
割とそれに忠実に描いたものです。[/speech_bubble]

[speech_bubble type=”ln” subtype=”L1″ icon=”1.jpg” name=”AntenneFrance”]ゾラの小説「製作」の映画化という形だったんでしょうか?[/speech_bubble]

[speech_bubble type=”ln” subtype=”R1″ icon=”2.jpg” name=”ダニエル・トンプソン監督”]インスピレーションの源というのは、彼らの間の友情を発見する機会があったんです。
あまり一般の人たちには、彼らの友情というのは知られていないことなんです。
また、彼らの友情というのはすごく長く続いたんです。
でも、ゾラの「制作」(セザンヌのことを書いた作品と言われている)という作品のせいで,仲違いをしてしまったのです。[/speech_bubble]

[speech_bubble type=”ln” subtype=”L1″ icon=”1.jpg” name=”AntenneFrance”]女性の目から見て、この二人の男性の友情とは?[/speech_bubble]

[speech_bubble type=”ln” subtype=”R1″ icon=”2.jpg” name=”ダニエル・トンプソン監督”]非常に面白いと思ったことがあったんです。
実は友情にフォーカスしたバイオグラフィーというものは無いんです。
彼らのついて書かれた色々な伝記をたくさん読んでいったところ、
気がついたのは、彼らの来た道筋というのは本当に交差している。
とっても違う物なんです。[/speech_bubble]

[speech_bubble type=”ln” subtype=”R1″ icon=”2.jpg” name=”ダニエル・トンプソン監督”]人生が交差していくというのは、セザンヌの方は小さい頃から裕福な家庭の息子で、その時は貧しい家庭の息子だったんです。
きっと彼の家に招いて、ごはんなども一緒に食べさせてあげたりしていたのでしょう。
そういう風な境遇でいたゾラにとっては、その後、自分が経済的にセザンヌを支援できるというのは、彼にとって満足感というのは大きかったと思います。

逆に小さいときはブルジョアの家庭に育ったセザンヌは、後にブルジョアの価値観を拒否するようになる。
少しずつズレているというのが面白いと思います。[/speech_bubble]

[speech_bubble type=”ln” subtype=”R1″ icon=”2.jpg” name=”ダニエル・トンプソン監督”]どういう風にセザンヌとゾラの人生というものが、逆に違うものになっていたかというと、プロフェッショナルなキャリアの面でも明確です。
ゾラが一番キャリアとして油がが乗っていたいたのは、25歳から50歳なんです。
一方、セザンヌが本当に今知られているような革新的な作品を残すようになったのは、本当に晩年の15年ぐらいなんです。キャリアの面でも二人がたどった道筋というのは,全く違う物なんです。[/speech_bubble]

[speech_bubble type=”ln” subtype=”R1″ icon=”2.jpg” name=”ダニエル・トンプソン監督”]人生の選択に置いても違います。
一人はブルジョアだったにもかかわらず、ブルジョアを捨て去る。
そしてゾラの方は、ブルジョアになりたいというわけでは無かったんですが、お金が潤沢に有って裕福な暮らしをおくれて、母や妻に綺麗な服を買ってあげられるという風な生活をおくれるというものを選択していた。
そういう意味では子供の頃と大人の頃の二人は全く違った道筋になっていたんです。[/speech_bubble]

[speech_bubble type=”ln” subtype=”R1″ icon=”2.jpg” name=”ダニエル・トンプソン監督”]それに面白いのは、ゾラは社会との距離がいつも近かった人でなんです。社会、民衆と共に生きていた。それを作品にしていたというのがゾラです。彼が参加した有名なドレフュス事件というのは、フランスの歴史に置いて非常に重要な出来事で、そういうものにも密接に関わっているのもゾラなんです。

それに対して、スザンヌというのは、自分のアート、自分の書いている風景、それしか興味が無い。そういう風な社会とは隔絶されて自分の芸術というものにだけ捧げていたという意味では対照的だと思います。[/speech_bubble]

インタビュー動画はこちら(フランス語)

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