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42,000ヘクタールが灰になった後、市長が中央政府に問いたかったこと社会

42,000ヘクタールが灰になった後、市長が中央政府に問いたかったこと

「冬には水を吸い上げる森がなくなる」。ジロンド県アレス市の市長グザヴィエ・ダネイはそう警告した。今年の山火事で焼失した森林は42,000ヘクタール。単純に「森が燃えた」という話ではなく、焼けた土地が保水機能を失えば、次にやってくる洪水のリスクが跳ね上がるという、時間差で連鎖する災害の話だ。彼はこの現実を踏まえて、河川や湿地を守るための「水生生物多様性の保護区」を作るべきだと提案している。ただし彼が…

日付: 2026/8/12

毛皮のコート4,000着とドローンの影――「経済」が戦場になるとき国際

毛皮のコート4,000着とドローンの影――「経済」が戦場になるとき

ロシアのSNSに、ある女性が動画を投稿した。カメラに向かって彼女が嘆いているのは、株価でも為替でもない。「毛皮のコート4,000着がなくなった」。モスクワ東方1,400キロ、オンライン通販最大手Wildberriesの巨大倉庫が、ウクライナのドローン攻撃で焼け落ちたのだ。目撃者たちは、地平線に現れたドローンがどこへ向かうか、もう驚かなかったという。7月中旬以降、同種の攻撃はすでに20回。同社は保管…

日付: 2026/8/12

国境を越えてきた人を、私たちは何と呼ぶか社会

国境を越えてきた人を、私たちは何と呼ぶか

名前はアニス。17歳。スクーターに乗っていた。交通検問を無視して走り去り、フランス国家警察の複数の車両に追われた末、金曜の夜に病院で息を引き取った。トゥールーズ検察当局は、死因の究明と公務執行への不服従という二つの捜査を開始した。アニスには司法上の前歴はなかった。フランスにはおじとおばが住んでいたが、単身で暮らす外国籍の未成年者で、残りの家族はアルジェリアにいた。家族の弁護士は、遺族が検視結果を待…

日付: 2026/8/12

戸棚から見つかった2019年の事件記録——公権力を検証するのは誰か社会

戸棚から見つかった2019年の事件記録——公権力を検証するのは誰か

ブーシュ・デュ・ローヌ県のある警察署で、2019年の日付が入った性的暴力の事件記録が、戸棚の奥から「掘り出された」という。捜査員はフランス・アンフォの取材にこう証言している。「これほど時間がたってから、事件が進展していないと被害者に伝えるため連絡を取るのは、当然ながら喜ばれることではない。そのため、私たちは謝罪している」。6年間、その被害者は自分の申告がどこにあるのかも知らずに過ごしてきた可能性が…

日付: 2026/8/12

死刑を廃止した国と、死刑を宣告した国――同じ火曜日に地中海の東側で起きたこと国際

死刑を廃止した国と、死刑を宣告した国――同じ火曜日に地中海の東側で起きたこと

8月11日火曜日、ベイルートの議会では死刑廃止法案が可決され、司法相は「歴史的」だと胸を張った。同じ日、ダマスカスの法廷は、ロシアに逃げ延びたまま姿を見せない元大統領バシャール・アル=アサドに、戦争犯罪と人道に対する罪で死刑を言い渡した。処罰の道具である死刑という制度を、一方は手放し、もう一方はまさにその日、最も重い相手に対して行使する。この偶然の同日性は、暴力のあとに社会がどう「正義」を組み立て…

日付: 2026/8/12

気温は誰のせいでもない、では誰が支える責任を負うのか暮らし・教育・健康

気温は誰のせいでもない、では誰が支える責任を負うのか

27歳のレミは、映画業界で働いている。この夏、彼はこう自問するようになった。「私たちは、両親が人生を終えたように、自分たちの人生を終えることができるのでしょうか」。6月の記録的な熱波以降、相次ぐ猛暑に強い衝撃を受け、「何をすればいいのか分からない日々」を過ごしたという。仕事にすら意味を見いだせなくなった、と彼はfranceinfoに語っている。28歳の弁護士マリーも同じ思いを抱えている。デモをして…

日付: 2026/8/11

逃げられなかった母子、戻れなかった消防士——フランスの夏が映す「避難弱者」という盲点政治・公共政策

逃げられなかった母子、戻れなかった消防士——フランスの夏が映す「避難弱者」という盲点

8月10日の日曜夜、フランス領マヨット北部クングーで、約50平方メートルのトタン製の小屋「バンガ」が燃えた。中にいたのは23歳の妊婦と、1歳と3歳の子ども。3人とも死亡した。女性はコモロ国籍で、在留資格を持たない状態だったという。消防隊は火を消し止めたが、出火原因は分かっていない。現場は「近づくのが難しい地域」で、事故当時、父親は不在だった。

日付: 2026/8/11

海を渡る230人と、燃えた仮設住宅——国境は誰の尊厳を選ぶのか複合・横断

海を渡る230人と、燃えた仮設住宅——国境は誰の尊厳を選ぶのか

8月9日から10日にかけての夜、フランス北部の海岸から一隻のゴムボートが英仏海峡に向けて出港した。乗っていたのは少なくとも230人。そのうち20人を超えるのが子どもだった。海難救助全国協会(SNSM)ベルク=シュル=メール支部の責任者ジャン=マルク・ランブランは、AFPの取材にこう答えている。「異例の規模」であり、こうした「粗末な船」による横断としては「新たな、悲しい記録」だと。

日付: 2026/8/11

誰のドローンかわからないまま、国境は動き出す国際・欧州

誰のドローンかわからないまま、国境は動き出す

木曜の夜、ドイツ西部メヒャーニヒの軍施設で、警備員が上空に2機の機影を見た。翌朝までに、確認された飛行は計6回に及んだという。地下130メートル、サッカー場4面分の広さを持つ貯蔵庫には、巡航ミサイルや弾道ミサイルの部品、そして米国製防空システム「パトリオット」関連の装備が眠っている。警備員は警察に通報し、捜査が始まった。だが、誰が、何のために飛ばしたドローンなのかは、今も分かっていない。

日付: 2026/8/10

介護施設の「欠勤率」が公開される国で、家族はもう「良い施設探し」をしなくていいのか暮らし・教育・健康

介護施設の「欠勤率」が公開される国で、家族はもう「良い施設探し」をしなくていいのか

85歳のニノ=アンヌ・デュピュイさんは、かつてオルレアン市の副市長を務めた人物だ。昨年7月、出血のため救急外来に運ばれた彼女は、そのままストレッチャーの上で6日間、5晩を過ごすことになった。入院先が見つからなかったからだ。最終的に彼女は、医師の勧告に反して退院する旨の免責書類に署名し、自宅に戻った。地元メディアの取材に対し、彼女はその経験を「到底許されない」「地獄」だったと語っている。

日付: 2026/8/10

溺れた子ども、燃えた山、止まった原発——フランスの夏が映す「公共の不在」複合・横断

溺れた子ども、燃えた山、止まった原発——フランスの夏が映す「公共の不在」

8月8日土曜日の夕方7時半前、フランス北東部モゼル県ランガットの小さな池のほとりで、4歳の男の子が両親の目を離れた数分の間に水に入り、溺れた。監視員のいない、整備された遊び場だった。市長のジェローム・ディッチュ氏が自治体の救急バッグを持って駆けつけ、医師や看護師が蘇生を試み、救急隊員とSAMU(救急医療サービス)が引き継いだ。それでも間に合わなかった。同じ週末、リヨン近郊の池では3歳の女の子が心肺…

日付: 2026/8/10

保護命令があったのに、彼女は殺された――フランスが問う「誰が守るべきだったか」複合・横断

保護命令があったのに、彼女は殺された――フランスが問う「誰が守るべきだったか」

6月、フランス南部ヴォクリューズ県ボレーヌで、ある女性が交際相手から暴力を受けた。彼女はそのあと、司法から二つの保護を与えられている。ひとつは、危険を感じたときにすぐ通報できる「危険時通話用携帯電話」。もうひとつは、家庭裁判所の裁判官が出した保護命令だ。加害者の男は6月の暴力ですでに一度身柄を拘束され、11月には刑事裁判所への出廷を控えていた。制度としては、動いていたはずだった。

日付: 2026/8/10

8秒差のツール・ド・フランス・ファムが問いかける、「見える化」の先にあるもの社会・文化

8秒差のツール・ド・フランス・ファムが問いかける、「見える化」の先にあるもの

ニースのプロムナード・デ・ザングレに並ぶ、あの街の象徴でもある青い椅子。8月9日、その一部が黄色や緑、水玉模様に塗られていたという。地元記者ICI Azurが見つけたその光景を、ある通行人はわざわざ先頭集団の位置を選んで座っていたそうだ。たかが椅子の色、と思うかもしれない。だが、この小さな演出こそが、女子ツール・ド・フランス(Tour de France Femmes)という大会が5年かけてたどり…

日付: 2026/8/10

ホルムズ海峡と医療倉庫、遠く離れた二つの現場に共通する「兵器化された生活インフラ」国際・欧州

ホルムズ海峡と医療倉庫、遠く離れた二つの現場に共通する「兵器化された生活インフラ」

300パレットのうち、運び出せたのは130パレットだけだった。ウクライナ中東部ドニプロにあった世界保健機関(WHO)の倉庫には、前線の医療施設に届けるはずの緊急医療物資が積まれていた。8月9日、WHOの職員と運転手たちが早朝に現場を訪れ、慌ただしく荷物をトラックに積み込んだ。彼らが現場を離れた直後、倉庫は攻撃を受けて破壊された。死傷者は出なかった。だが助かったのは、残りの170パレット分の医薬品や…

日付: 2026/8/10

ガソリン代の20セントと、乳が出なくなった牛経済・労働

ガソリン代の20セントと、乳が出なくなった牛

オーヴェルニュ地方の牧場主シルヴァン・ベロントは、5月末の時点で牛に与える草がもう牧草地に残っていないことに気づいた。本来なら牛は年間160日、新鮮な草を食んで放牧されるはずだった。しかし猛暑と干ばつで牧草は焼け、彼は冬用に取っておいた飼料を、まだ夏の盛りだというのに牛たちに与え始めた。1頭あたり1日1.5〜2トン。牛の乳量は1日1リットル減り、乳の質も落ちた。妻ベルナデットが仕込むサン=ネクテー…

日付: 2026/8/9

チェーンソーの音で目覚めた朝、誰が「すみません」と言うのか複合・横断

チェーンソーの音で目覚めた朝、誰が「すみません」と言うのか

ステファンとカトリーヌの夫妻が聞いたのは、午前6時ごろの機械音だった。ジロンド県で山火事が鎮圧され、10日前に自宅と厩舎を守り抜いたと安心した翌朝、道路沿いで林業会社が木を切り倒していた。夫妻は木の前に立ち、「もう十分だ、何にも触るな」と叫んだという。それでも作業は止まらず、樹齢100年の松まで伐採された。カトリーヌにとってその森は「静かに暮らすために35年かけて貯めた」ものだった。彼女は積み上げ…

日付: 2026/8/9

「お尻を撮影されたくない」――身体の尊厳は、誰が決めるものか社会・文化

「お尻を撮影されたくない」――身体の尊厳は、誰が決めるものか

「私はスポーツをしているのであって、下からお尻を撮影されたくはありません」。フランスの棒高跳び選手マリー=ジュリー・ボナンは、そう言い切った。8月10日から英国バーミンガムで始まる欧州陸上競技選手権を前に、欧州放送連合(EBU)が公表した放送指針を歓迎する発言だった。彼女はすでに、自分の映像がYouTube上でまとめられ、性的な文脈で拡散されるのを見てきたという。ショーツを履いて競技すること自体は…

日付: 2026/8/9

テニスボール大のひょうが降った日、マルセイユの音楽祭は終わった社会・文化

テニスボール大のひょうが降った日、マルセイユの音楽祭は終わった

2026年7月25日、南フランスの空からテニスボールほどの大きさのひょうが降ってきた。マルセイユ最大の音楽フェスティバルとして12年続いてきたデルタ・フェスティバルは、その日のことをInstagramにこう書き残している。「2020年のコロナ禍による中止、2023年の嵐、2024年の記録的洪水、2025年のミストラル、そして2026年のひょう」。まるで気象年表のようなこの一文の後に続くのは、静かな…

日付: 2026/8/8

代替バスを待つ75分、黒く焦げた松、割れないはずのグラス——市場の衝撃は誰が引き受けるのか経済・労働

代替バスを待つ75分、黒く焦げた松、割れないはずのグラス——市場の衝撃は誰が引き受けるのか

オディルは市場で買った1週間分の果物と野菜を提げて、交通アプリを開いた。表示された自宅までの所要時間は75分。普段なら15分もかからない距離だ。「自分が幻覚を見ているのかと思って携帯電話を振った」と彼女はfranceinfoに語っている。隣にいたファトゥは、パリでの清掃の仕事を終えて帰る途中だった。移動時間は普段の2倍。「食事をして、横になったらもう終わり。それほど疲れている」と彼女は言う。

日付: 2026/8/8

セウタの海岸に立った7万2000人と、リールの倉庫に積まれたたばこの箱国際・欧州

セウタの海岸に立った7万2000人と、リールの倉庫に積まれたたばこの箱

先週、モロッコ北部の海岸からスペイン領セウタへ、7万2000人が国境を越えた。数字だけを見れば、それは一つの都市の人口が一週間で移動したのに近い規模だ。この出来事のあと、スペインとイタリアという、EUとNATOの双方で同盟関係にあるはずの二国が、外交文書の応酬に入った。イタリアは、スペインから到着する第三国国民に対してシェンゲン協定の自由な移動の適用を停止し、少なくとも8月15日まではこれを撤回し…

日付: 2026/8/8

深夜1時20分、Instagramで届いた勧誘――フランスが「デジタル空間の主権」を問い始めた理由科学技術・デジタル

深夜1時20分、Instagramで届いた勧誘――フランスが「デジタル空間の主権」を問い始めた理由

日曜から月曜に変わる深夜1時20分、トゥールーズのラ・フォレット地区で複数の銃声が響いた。麻薬取引が絶えず、過去にも銃撃事件が起きてきたこの地区で、未成年者1人が撃たれ、生死をさまよう重体となった。逃走した車からはカラシニコフ型突撃銃と拳銃、防弾ベスト2着が見つかり、18歳と24歳の男2人が組織的な集団による殺人未遂の容疑で正式に訴追された。取り調べで24歳の容疑者が語った言葉が、この事件をただの…

日付: 2026/8/8

助けを求める声さえ持てない人を、誰が保護するのか社会・文化

助けを求める声さえ持てない人を、誰が保護するのか

真夜中の1時20分、トゥールーズのラ・フォレット地区で複数の銃声が響いた。狙われたのは1人の未成年者で、今も生死の境にいるという。逃走した車からは、カラシニコフ型の突撃銃と防弾ベストが見つかり、逮捕された24歳の男は「Instagramで勧誘された」と供述したという。麻薬取引の絶えない地区で、SNSを通じて少年たちが暴力の駒として吸い上げられていく構図が、この一行の供述から見えてくる。これは筆者の…

日付: 2026/8/8

クルーズ船で運ばれてきたウイルスと、保険で受け取れる薬――フランスの公衆衛生が選ぶ「追跡」のかたち暮らし・教育・健康

クルーズ船で運ばれてきたウイルスと、保険で受け取れる薬――フランスの公衆衛生が選ぶ「追跡」のかたち

8月6日、パリの病院からひとつの報告が届いた。今年春、クルーズ船「MV Hondius」の船内でハンタウイルスに感染した唯一のフランス人女性が、約3カ月にわたる集中治療室での治療を終え、回復期療養施設に移されたという。保健省がAFPに明らかにしたこの知らせは、一人の退職者の女性が生死の境から戻ってきたという安堵の物語であると同時に、移動が自由になった社会がどこまで感染症を追いかけられるのか、という…

日付: 2026/8/7